物づくりに携わる者として、最高の製品(作品)を産み出すためには色々な要素が必要で、単に「売れそうだから」とか、「こんなもんでいいや」などという半端な精神では決して良いものなど出来ない、という持論があります。発想力、センス、技術という基本的な条件はもとより、「気持ち」、「心」といったいわば “ 内面的 ”
な要素が最も大切で、製品製作においてその最終的な出来栄えを大きく左右するものであると考えます。広義的に捉えて、何事にも人生において大事なのは、人間らしい心、優しさ、思いやりといった精神的・意識的側面をいかに重んじ、そして生きていく上で出会う人、直面する事象といかに向き合うか、ということではないかと思います。生きる意味や人間的価値、ひいては人生そのものを左右するのはその大半を「観念上の要素」が占めるのだと感じます。 本日正午頃に突然舞い込んできた訃報。「言葉が無い」とはこういうことを指すのだと思いました。20代前半の頃からいろいろなことを勉強させてもらった恩人であり、尊敬する人生の先輩であり、何より「大好きな人」との突然の別れ。 本来なら今日から本格的に着手しようとしていた次なる製品開発作業ですが、この事実を受け入れることのできない今の精神状態では中断せざるを得ません。喪に服し、気持ちの整理をつけて、再開しようと思います。 |